どうもNSZ山本です。
尾盛駅をご存知ですか。
尾盛駅ってどこ
尾盛駅は静岡県川根本町にあります。
路線としては大井川鉄道井川線の駅です。秘境駅ランキングで2位だそう。
ここは駅から出る道が無い秘境駅で有名です。
実は駅から出る道は存在することは存在します。
行けるみたいですね。上を読むと… 私としてもちょと信じられないんですが。
行けるとは言っても完全に廃道と化している区間、またはつり橋が消失している区間があり、
オブローダー以外の人類にとってはまず「列車でしか行けない」と言って良いでしょう。
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そこそこ熊が出るらしい。
「2009年5月と2010年秋、駅近辺に熊が出没したため下車禁止となった。かつては立ち入り禁止で施錠されていたホームの保線小屋を、熊からの避難用のため一般人が入れるようにした。」尾盛駅 -wikipedia
あぶねえな。
下車禁止ってそんな。
2019年では普通に降車することが出来ます。
大井川鉄道の職員は普段観光客が下りない駅で降りようとすると「次の列車で乗るんですか」とか「降りた後どうする」みたいにやたら詮索してきます。ひょっとしたら熊が出ることもあるからでしょうか。
何にせよ、とんでもない山奥であるところは確かです。
いくら列車が来るからと言っても、もはや深山幽谷にたまたま列車が通っているレベルで、
文明なんて物は無い秘境駅だ。
本当にそうだろうか。
現在はそうかもしれない。
だがあるいは過去は。
尾盛駅に行ってみた
5月某日、ともあれ秘境駅に降り立った山本。
降りる直前、陽気な兄ちゃん乗客に「降りるんか!がんばりや」って言われました。
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こちらが尾盛駅。
尾盛駅に降り立つと、噂通り周りにほぼ何も無いことがわかります。
ホームとしてきちんとした形状をしている奥に見える保線小屋側のものはホームではありません。
写真手前側のここに降ろされます。角材で囲って中に砂を入れただけです。
路面電車の電停で道路上に線を引いただけのものを除けば日本で最も雑なホームでしょう。
車掌には「次乗る時は5分前にはホームに来ておいてください」と言われます。井川線のドアが手動式なので、向こうからでも乗れるには乗れますが。
きちんと待合室”のようなもの”があります。
先述した、元々施錠していた保線小屋を熊対策の避難用として開放したものです。
ちゃっかり駅ノートもおいてあります。
小屋に引きこもっていても仕方ないので、外に出てみましょう。
鳥の鳴き声やそよ風の音を聞こえてきます。
心安らぐ素晴らしいスポットです。
大量の人間に揉まれつづけて普段生活を送っている都市住民にとって、最高にリラックスできます。
特にやることも無いのできょろきょろ見回していると。
おや。
駅から金谷方面を見ると、廃屋のようなものが1軒見ることができます。
…..
尾盛駅に降り立つ前、車掌が以下のような車内放送をしてました。
「ダム建設の際に作業員が寝泊まりしていた場所がある」
とのこと。
すまないクロエ。
廃墟と知ったら足を踏み入れなければ気が済まない人種なので、行ってみます。
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春の廃墟祭りだ
駅ホームから千頭方面へ50mほど歩き向かって左(東)の山中を見ると、
間伐されずに放置され、密になった杉林が広がっています。
が、その中に、植物以外の物体が見て取れます。
1軒以上あるぞ。
そうです
尾盛駅周辺には、ダム作業員が寝泊まりするに足る一連の施設がすべて完備されていまいた。
それには、平屋建物2件、風呂、井戸らしきもの、煙突らしきものなどが含まれます。
人々が全て去ってしまった後も、建屋は朽ちつつ残っています。
もちろん辺鄙な場所にある建物を丁重に撤去し産廃処理するなんてことはしていません。
ただひたすら、人がそこに存在した証拠となってそのまま残っています。
廃屋地図
それら構造物の配置見取り図です。
測量したわけではないので、正確な位置のものではありません。
大まかな配置順としてご覧ください。
廃墟
鳥の声を聴き風の声を聴き、都会の濁った魂を浄化したり空を見上げてリラックスしてる段階は完全に終わった。
そんな場合じゃねえ。
テンションMAX。
廃墟が僕をリラックスさせてくれない。
1.線路に最も近い小屋
まず駅から一番近い小屋です。
よくある保線小屋。
ガラスは粉々になり、中を容易に覗けます。
中をのぞいてみます。
夏の暑い日には笠を使って作業していたんですかね。
怖い怖い怖い
高さ的に違うとは思うけど。
2.メイン小屋
ここが最も大きな遺構建築物です。
とはいっても、平屋で大した大きさではないです。
トタン上に植物が自生しています。
人の作った小屋は自然に帰ろうとしています。
だいぶ剥がれてますね。
3.煙突跡?
上記の小屋のすぐ近くに、いくつか雑多なドラム缶などが散乱しています。
写真右の部分です。
それがこちら
4.風呂(?)
小ぢんまりとした風呂と思われる場所があります。
浴槽は見当たりませんが、おそらく風呂なんじゃないかと思います。
タイルの壁に囲まれた小さなスペース。
このスペースのタイル数は8.75個x5.25個
1個の正方形が10cmなので、87cm x 52cm程度です。
やあみんな。僕はOB。(Omori Bath)よろしく。
薪をくべる側。
顔みたいで可愛いです。癒し系です。かわゆい。
方式は薪で湯を沸かす原始的なものではありますが炉はきちんとしてて、苔むしてもそれ自体が崩れる様子は見られません。
5.貯水槽(?)
井戸または生活用水を貯めるための水槽だと思われます。
ここに水道を引くなんて無いのは明らかなので、川から水を引いて貯めるとかしてたと思われます。
大自然の中なので、おいしい水っだったのでしょう。
沈殿しているのでちょっと僕は飲みません。
6.生活雑貨
ぼっこぼこのヤカン。
森の中に数多く人間が使うための小物が落ちています。
7.変な穴
これが一体何のために存在しているのかわかりません。
でもこういうの個人的には古代文明の遺構物、ancient remainみたいで結構好きです。
ギリシア遺跡っぽいくない?
8.車輪
ダンベル。
じゃなくって。
何か貨車の車輪だったものでしょうか?
行き方
列車
最も簡単な方法は、井川線に乗車して行くことでしょう。というより唯一まともな方法です。
金谷から千頭まで1時間、
千頭から尾盛まで1時間半、合計2時間半です。
以下は「尾盛駅」の時刻表です。1日5本は出ています。冬は4本になります。
他に季節臨時運転で早朝、接岨峡温泉→井川、というのもたまに走っています。
車
車で行くにしても結局直接乗り付けられないので列車を使うことになります。
車では、隣の閑蔵駅か接岨峡温泉に車を置いて、井川線で一駅乗るのが良いと思います。
歩き
歩いていく場合は、
私は預かり知りません。こちらを見ると行くことはどうやら可能なようです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
もしあなたが尾盛駅に下車し、不慮の事故で井川線がいきなり終日ウヤしたとしても、問題はありません。
宿直の廃墟跡で寝そべればいいのです。
ただし床が木なので尻背中痛いです。
あとヘビが出ます。
あと多分寒いです。
全然駄目だな。
ウヤった時は線路をづたいに歩いた方が生存率は高いな。というか待合室を使おう。
ウヤ冗談は置いといても、
僕は小屋の中で体育座りして窓の外の新緑を眺めてました。
日常から数百キロ離れた場所で。
….
尾盛駅は秘境駅マニアにとってもちろん面白い場所です。
廃墟探索にも最高なので、ぜひ一度訪問してみてください。
探索にかかる所要時間は、尾盛駅廃墟群を十分に満喫するためには1時間くらいあった方がいいと思います。(余計な世話かもしれない。人それぞれですが..)
列車の時間はぜひ多めにとってください:)
それでは!
了
(取材日:2019.05)
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接岨峡温泉会舘